TOHO
COLUMN
東邦コラム
2024.04.08
その他
海の生き物
海洋環境用語で
『ベントス』『プランクトン』『ニューストン』『ネクトン』ということばが有ります。
これは、海洋生物の生態によって使い分けられる分類です。
『ベントス』
底生者と呼ばれ、海底(水底)に定着するか、這って生活している生物の分類です。
皆様には貝類や甲殻類がイメージしやすいと思います。
水底に生活している事も相まって、遊泳能力は皆無。泳げないから何かに掴まったり、這うようにして移動するのですね。
どんな事が有っても動じない、社会の荒波に揉まれても、自身の仕事をブレることなくこなすポジションですね。
『プランクトン』
浮遊者と呼ばれ、自身で移動する能力が無く、水の動きに逆らう事無く、水の動きに全てを任せている生物群です。
プランクトンという言葉は聞いた事が有ると思います。
細かく分けると、動物性・植物性等で細かく分類されますが、割愛します。
流れに逆らう事無く、上手に波をいなしながら生きる、ストレス社会での生き方が一番上手なポジションですね。
『ニューストン』
プランクトンの中でも、微弱ながら波に逆らって泳げる生物。
自身で水をかき分け進む事が出来る、クラゲなどがここに含まれます。
また、小魚等の波に逆らって泳げ無い魚類も、この分類になります。
微弱ながら抵抗する力を授かってしまったが故に、必死になって身を守り、どうにか生延び成長する、出世型のポジションですね。
『ネクトン』
遊泳者と呼ばれる、ニューストンが成長を経て辿り着く生物群。
魚類や海生哺乳類、特に遊泳能力に秀でている種類が分類されます。
どんな波にも逆らい、自身の進みたい方向に、自らの力で推進できる、海中ではどんな陸上生物も、この分類群に敵う事は有りません。
ですが、このネクトンも、稚魚の段階では、ニューストンです。
稀に子供の頃からネクトンという種もいますが、みんな成長して力を得るという証明になります。
余談ですが、日本には海の中でもネクトンに分類される人々が存在します。
皆様ご存知、古橋廣之進さん、フジヤマのトビウオと称された、国民的水泳選手ですね。
1949年ロサンゼルスで行われた、全米水泳選手権に招待され、偉大な記録を残しました。
え?知らない?
では、もう少し若い方に伝わる人選をすると、北島康介選手や池江璃花子選手が、海中のネクトンに当ると思われます。
荒れた海の波を、社会に置き換えてみてみると、皆様の分類はどこになりますか?
全ての分類が、社会を成り立たせる為には、必要なポジションで、不要は有りません。
ですが、自分がなりたい・自身が望む分類で無いのであれば、今の自分を変えてみてはどうでしょうか??
今から泳ぎは無理でも、社会のネクトンを目指してみては如何でしょうか。